ライター伊達直太/取材後記2022

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取材後記 2022

コロナバブルについて 1月某日 晴れ

今年もすでにやることが多い。
ありがたいことである。
コロナ禍になって2年になるが、コロナバブルはまだ続くらしい。
このバブルがありがたいのは、仕事の量が増えて、売上面で嬉しいということもあるのだが、1つ1つの仕事の質も良くなるということである。
一般的に、量と質はトレードオフの関係にあって、量をこなそうと思うと質が下がり、質を追求すると量は稼げない。100円ショップの商品はたくさん売れるけれども質はそれなりで、ブランド品は質はいいけれど数は出ない、みたいな話。
ところが、バブルはそのジレンマを超越する。
世の中がバブって品質重視に傾くため、低品質なものは排除される。つまり、いくら100円でも、これはお金の無駄だと評価されるものは消える。
一方で、価格帯が高い分野も、この品質で、さすがにこれは高い、と評価されるような、高さと希少性だけを売りにしているような商品は消える。それはコロナ禍の影響もあって、例えば、予約が取れないことがウリだったレストランとかは予約が取れるようになってプレミアがなくなって、ネームバリューだけでお客さんが集まっていたホテルなども、質実剛健というか節約主義というか、そういうご時世においてコスパが悪いと評価されるようになっている。
これは考えてみれば当たり前のことで、政府の補助金がついたりして世の中が豊かになったから、安さのみ重視する「安かろう悪かろう」の商品は淘汰されるし、一方で、ネットで色々安く買える時代では、消費者の消費リテラシーが高くなるから「高かろう良かろう」も敬遠される。
どこに需要が集まるかというと、その中間。「それなりに良さそう」という水準で、激安ではないけれども品質がそこそこいいところであり、個人的な感覚だけど、ユニクロとかケンタッキーとかトヨタとかがそんな水準にあって、物書き商売で言えば、たまたま私はその辺りにいるのだと自己評価している。その結果として、売上が増えて、仕事の質も良くなっている。
そういう背景を考えると、コロナバブルはもうちょい続くかもしれない。ならば、今年も限界まで流れに乗ってみる。
私のような弱小フリーランスは、流れに身を任せるのが得策である。

フリーランスの収入について1 1月某日 晴れ

フリーって大変でしょう。
たまにそう言われることがあるのだが、私のような物書き商売については、全然大変だとは思っていない。
大変だろうなあと思うのは、現場があって売り上げが立っているフリーの人。コロナ禍で現場が圧倒的に減っている中では、私にとって身近な職種で言うと、カメラマンとかイベンターとかは大変だろうなと思う。
過日、久しぶりに現場仕事があって、久しぶりに顔見知りのカメラマンと会った。最初に思ったのは、元気そうで何よりだということ。だって、現場がなければ収入がなくなることも十分にあり得るからね。
その人は、もともと能力が高いこともあって、収入は激減したけど、どうにか堪えていると言っていた。
そう考えると、自宅に篭れる物書き商売は恵まれている。イラストレーターとか編集者も割と近くて、現場がなくなってもリモートで仕事ができるから、収入が激減するようなことはない。むしろ、リモートが増えるほど移動時間が減るなどして仕事の効率は上がるので、誰と仕事をするか、どこまで引き受けるかといった個人差はあるだろうけれども、私を含めて、仕事の量が増えたという人は多いはずである。
参考までに、昨年の私の休日は計5日だった。356日のうち360日は仕事をしていたということになる。これがコロナバブルである。
一般的な会社員の出社日数が250日くらいであるらしいから、私は1.5倍くらい働いたわけなので、一般的な会社員よりも収入が多くても誰も文句は言わないだろうと思う。これがフリーの収入の実態である。働いたら、働いた分だけ収入が増える(税金とか保険料とかも増えるから手取りはそんなに増えないけれどね)。
逆に、現状のカメラマンのように、自分の意思に関係なく、働く機会が減ったら収入も減る。
私は、たまたま去年は仕事が多かったが、いつ、何時、何かが起きて、収入が激減するかわからない。そう考えると、「フリーって大変」ということではない。フリーって運だよね、が正解なのだと思う。

納期を守ることについて 1月某日 晴れ

毎年、年の初めに目標を立てる。
今年の目標は3つで、子供らの勉強と遊びに付き合うこと、子供らに病気やけがをさせないこと、納期を守ることである。
はじめの2つはさておき、3つ目の、納期を守る。
これは、フリーになってから常に守ってきたことであり、フリーで食っていけるかもしれないと思った理由の1つでもある。
もう何十年も前の話なのだが、私はかつて仕事を発注する側で、その時に一番困ったのは、納期を守らない人が多いことだった。当時の私は若造だったから、先輩であるフリーの人たちになめられていたのだろうとも思うが、とにかく締め切りを守らない人ばかり。締め切りが近づくと、毎月のように、どうですか、まだですか、いつですか、みたいな連絡をして、散々時間を無駄にした。
あらためて考えると、私が時間主義者になったのも、約束を守らない人を信用しなくなったのも、この時の経験がかなり影響しているように思う。
そんな経験を逆手にとって、これだけ締め切りを守らない人がいるなら、締め切りを守る人なら仕事が重宝されるんじゃないだろか、と考えたのが、フリーになると決めた理由の1つ。
安直ではあるが、間違ってはいなかったと思う。だって、そこから20年ちょいにわたって、これという才能もない私がフリーで仕事を続けてこられた理由は、納期を守るということ以外に特に思いつかないのである。
ところが、人間というのは怖い。気を抜くと調子に乗る。
昨年、いつもよりもたくさん仕事をいただいた私は、何回か納期を守れなかったことがあった。厳密には、納期を超えてしまいそうだと分かった時に連絡をして「あと1週間おなしゃす」と伝えてはいるので、了承済みではあるのだが、相手の予定や約束したスケジュールを乱すという点では、私の頭痛の種だった人たちとほぼ同罪。
幸い、私は人に恵まれている。周りの人たちは、多少の遅れは融通を利かせてくれる人ばかりである。しかし、甘えたら終わりである。甘えによって失職した人を何人も見ている。
そんな自戒を込めて、今年はあらためて納期厳守を目標にした。
初心忘れるべからず。

一年と一歩目のはじまりについて 1月某日 晴れ

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新年は挑戦意欲が湧く。
ニヒルに考えれば、カレンダー的には、12月31日が1月1日に変わるだけの話なのだけど、そこに大きな節目があるせいか、今年はこれをやる、今年こそこれを頑張ろう、といった気持ちになれる。
これって結構大事。だって人間は気持ちや意識で行動が変わる生き物だから。
さて、今年は何をやろうか。おかげさまで、フリーランスになって21年が経つ。もはや記憶が曖昧だが、計算してみると、たしかフリーになったのが1月だった記憶があるので、今月から22年目。あと2年で人生のちょうど半分がフリーランスということになる。
私は飽きっぽい人間なのであらゆることが三日坊主だが、まさか今の仕事が自分の半生に至るとは思ってもみなかった。
好きなことは続く。続くからもっと好きになる。
そんなかっこいいことを言うつもりはないけれども、何かに挑戦したいと思っている若い人たちは、念ずれば通ずというか、継続は力なりというか、続けられそうであれば、とりあえず挑戦してみたらいいんじゃないか。
何かに挑戦することについて、一般的には一歩目を踏み出す勇気が大事、といわれるけども、私はそうは思っていない。一歩目は勢いがあれば踏み出せる。それよりも大事なのは、二歩目三歩目。つまり、続けていくこと。歩みを止めないこと。それってつまり持続性でありSDGsかもしれない。二歩目三歩目が続かない挑戦は、一歩目をうまく踏み出してもうまくいかないだろうし、二歩目三歩目が続きそうであるならば、一歩目をどの方向に踏み出そうが、そんなことはたいした問題ではなくて、後からいくらでも修正できると思う。
これは若い人に限ったことではなくて、私のような中年にも言えることだ。
今年は一歩目を躊躇せず、やりたいことをやってみよう。実際、やってみたいことはいくつもある。問題は、その気持ちが時間と共に薄れることだ。
そういう自分の欠点も含めて、今年はもうちょっと頑張ろう。
そんなふうに思う新年の始まりである。

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ライター 伊達直太

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